LEDビジョンは情報発信や広告、イベント演出など幅広く活用できるツールです。導入の際には事前に設置環境やコスト、運用方法、コンテンツ管理などの重要な要素を検討することが必要です。この記事ではLEDビジョンを導入するまでの流れや注意点を解説します。導入後のトラブルを避け、効果的な運用のために、ぜひ参考にしてください！
LEDビジョンを導入する前に注意すべき事項
LEDビジョンをスムーズに導入するには「設置場所・環境」「コストと予算計画」「コンテンツ制作・運用計画」の3つが大切です。
設置場所・環境の確認
LEDビジョンは設置場所・環境によって適切な仕様が異なります。たとえば、屋内設置の場合は高解像度・低輝度・防水不要タイプのものが適していますが、屋外設置の場合は高輝度・防水防塵仕様（IP65以上）・耐風耐熱対策が必要です。
日照や照明環境の影響への考慮も欠かせません。屋外の場合、日中の直射日光で映像が見えづらくなるため、5,000～8,000ニト程度の輝度のモデルがおすすめです。屋内だと、周囲の証明や反射を考慮し、適切な輝度調整ができるモデルを選ぶとよいでしょう。
また、視認距離も屋内用の場合1～5m程度ですが、屋外用ではLEDビジョンから遠い場所にいる人への訴求を可能にするため5～50m程度の広視野角が求められます。
視認距離に応じたピクセルピッチを選ばないと、画質が粗く見えることがあるため注意が必要です。ピクセルピッチは、5m程度の近距離の場合は1.5mm～4mm、5～20mの中距離の場合は4mm～8mm、20m以上の遠距離では8～16mm程度が目安になります。
ほかにも屋外用LEDビジョンは防水ケーブルや専用電源設備が必要です。夏場や冬場に過酷な温度環境で運用する際は、冷却システムや耐熱対策も重要になります。
さらに十分な設置スペースを確保することも大切です。壁掛け型は壁の耐荷重を、天井吊り下げ型は天井の強度を確認しましょう。自立型は、設置場所の安定性や足場を確保します。
コストと予算計画の立案
LEDビジョンは高価な設備投資となるため、コストと予算計画も事前にきっちり立てておく必要があります。計画では初期費用だけでなく、ランニングコストも考慮に入れましょう。
主な初期コストは、ディスプレイ本体価格・設置工事費（施工・足場・電源工事）・設計費用（建築設計・強度設計）です。導入後のランニングコストは電気代・保守点検費・コンテンツ制作費です。
大型ディスプレイは消費電力が大きいため、使用時間に応じた試算が必要になります。また、魅力的な映像や広告を発信するためのコンテンツ制作費（更新コスト）も考慮します。
導入前にROI（投資対効果）を試算し、広告収益・ブランド価値向上・集客効果など全体の収支を考慮して判断することが大切です。
コンテンツ制作・運用計画
LEDビジョンの魅力は映像コンテンツに依存するため、導入後の運用計画を事前に考えておく必要があります。
コンテンツを最適化するために、LEDビジョンのサイズとピクセルピッチに合わせ、解像度を適切に保つこと、視認性が向上するよう映像のコントラストや色合いを調整すること、視線を引き付けやすい動きのあるコンテンツを活用することなどを意識しましょう。
コンテンツ管理の方法（手動更新・クラウド更新・リアルタイム配信など）をあらかじめ決めておくと、さらにスムーズです。イベントや広告用の場合は、定期的にコンテンツを更新できる体制を整えておくとよいでしょう。
電源・配線・ネットワーク環境の最適化やメンテナンス方法の取り決め・保守契約、法規制や許可の確認まで事前チェックできれば理想的です。
LEDビジョンの施工の流れ
導入するLEDビジョンの種類（大きさ）や設置場所、設置方法、利用目的などが明確になったら、信頼できる業者に施工を依頼しましょう。依頼の方法は業者によって異なりますが、電話・メール・WEBフォームなどでの問い合わせ・相談が一般的です。
業者によっては、運用方法や設置条件、使用目的に合わせて、より最適なLEDビジョンの提案を受けることもあります。作成された見積に納得し契約を締結した場合、LEDビジョンの取り付け工事が開始します。
業者によってはLEDビジョンで流すコンテンツ制作も請け負っていることがあります。自社でのコンテンツ制作が困難な場合は、これらのサービスを提供する業者を選ぶことで、LEDビジョンの運用がワンストップで完結します。
LEDビジョンの施工業者の選び方
LEDビジョンの導入には、品質・設置技術・アフターサービスが重要です。適切な施工業者を選ぶことで、長期的に安定した運用が実現します。業者選びをする際は、過去の施工実績を確認しましょう。
同様の規模・用途のLEDビジョン施工経験があり、施工経験年数が3年以上であれば理想的です。また、業者によって取り扱うLEDビジョンの品質が異なります。
取扱いメーカーは国内・海外の有名メーカーで信用できるかどうか、ピクセルピッチや輝度などのスペックが需要を満たしているか、保証期間や修理対応の有無などを事前に確認しましょう。
LEDビジョンメーカーは、三菱電機、パナソニック、シャープ、ソニー、Absen、Unilumin、Leyardなどが有名です。適切な業者を選ぶために、複数業者の比較検討や口コミ・評判を調べることも有効です。
まとめ
LEDビジョン導入の際は、設置環境や目的に合わせて、事前に仕様を選定したり、効果的なコンテンツ制作を慎重に計画したりすることが重要です。導入前に設置スペース・視認距離・電源・耐久性を考慮することで、適切な製品を選びやすくなります。施工業者を選ぶ際には過去の施工実績をチェックしましょう。同様の規模・用途のLEDビジョン施工経験があり、施工経験年数が3年以上あれば理想的です。また、業者は最初から一社だけに絞り込まず、複数業者を比較検討したり、口コミ・評判を調べたりすることも有効です。
